第6回プラズマナノ工学スクール

プラズマプロセスの基礎講義と実践的なプラズマ計測実習

プログラム


9:20-9:30

御挨拶

9:30-11:00

プロセスプラズマの基礎とプラズマ生成法

名古屋大学
豊田浩孝 教授

講演概要:プラズマによる材料プロセスには,低圧力から大気圧まで様々な反応性ガスによる多彩な放電形式と放電周波数のプラズマが用いられている。この講義では,プラズマの発生・消滅,エネルギー授受の物理過程を基礎的にわかりやすく説明するとともに、代表的な各種プラズマの生成法を系統的に解説する

11:00-12:30

プラズマ計測の基礎

中部大学
中村圭二 教授

講演概要:本講演では、プロセスプラズマの挙動を特徴づける「電子密度」や「中性ラジカル密度」のモニタに用いられる各種手法を取り上げる。主に、最も基本 的な「ラングミュアプローブ」、プロセスプラズマに幅広く適用できる「表面波プローブ」に加え、量産現場でもよく用いられる「発光分光法」に焦点 を当て、その動作原理、密度導出法および利用上の留意点等を解説する。またプロセスプラズマのモニタリング例についても紹介する。

12:30-13:30

昼食/質問タイム

13:30-14:10

大気圧プラズマの基礎と応用

名城大学
伊藤昌文 教授

講演概要:大気圧におけるプラズマの特性は低圧プラズマの場合とどのように異なるかという視点から大気圧プラズマの基礎について概説する。また,我々が開発に協力してきた非平衡大気圧プラズマを中心に,その特徴,基本的なプラズマパラメータやラジカル密度の計測結果とそれらの応用例について紹介する。

14:10-15:00

プラズマCVDを用いた薄膜・構造体の作製

名城大学
平松美根男 教授

講演概要:プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)は、作製したい薄膜や構造体材料の構成元素を含む化合物(原料ガス)を真空容器に供給し、プラズマを用いてこれら原料ガスを励起・解離させて薄膜の形成に有効な活性種を生成し、基板上に輸送して堆積させる手法である。プラズマCVDを用いて、様々な導体、半導体、絶縁体の薄膜や、カーボンナノチューブなどの3次元構造体を作製することができる。この講義では、いくつかの具体例を挙げながら、プラズマCVDの原理と実際について紹介する。

15:00-15:50

プラズマエッチングの原理

名古屋大学
石川健治 教授

講演概要:材料の微細加工プロセスにおいて「寸法・形状といった物理的性質」と「材質・欠陥といった化学的性質」を制御することがプロセス設計の勘所となる。試行錯誤ではなく、実プロセスで生じている現象を原理まで遡り、プラズマプロセス中での固体材料表面で生じる反応の機構解明について紹介する。

15:50-16:30

会場移動

16:30-17:40

プラズマ計測実習

グループ

担当者名
Aグループ
梶田信
准教授
Bグループ
林俊雄
教授
Cグループ
田嶋聡美
准教授
Dグループ
太田貴之
准教授
Eグループ
竹田圭吾
助教
テーマ名 プローブ計測 質量分析計測 大気圧プラズマ 発光分光 真空紫外吸収分光

【プラズマ計測実習内容】
実習題目:Aグループ.プラズマ計測の基礎 (名古屋大学 梶田信 准教授)
実習概要:ラングミュアプローブ、表面波プローブ(プラズマ吸収プローブ)の製作方法、測定方法について、分かりやすく説明するとともに、表面波プローブを用いた実際のプラズマ中の電子密度計測をリアルタイムで行う等、実践的な実習を行う

実演題目: Bグループ.質量分析による測定 (名古屋大学 林俊雄 教授)
実演概要: 質量分析を用いることによって、@プラズマ中のイオン種、Aプラズマ中のラジカル種、Bプラズマ中の負イオン、C基板表面で形成される負イオン、Dプラズマ中の中性分子種、の測定ができる。この測定法について概説するとともに、上記のいずれかの測定を実演する。

実習題目:Cグループ.大気圧プラズマ (名古屋大学 田嶋聡美 准教授)
実習概要:大気圧非平衡プラズマを用いた材料処理や、プラズマ気相診断によるメカニズム解明の実例について紹介するとともに、大気圧プラズマの気相計測技術の説明を行う。実習では、大気圧非平衡プラズマを用いたガラス表面のクリーニングと、簡便なガス温度計測装置などによるプラズマモニタリングを行う。

実習題目:Dグループ.発光分光 (名城大学 太田貴之 准教授)
実習概要:発光分光は受動的なプラズマ計測法であり、プラズマを乱さないと言う特徴がある。また、特殊な実験技術を必要としないため光計測の初心者にも適した計測法である。しかしながら、得られた分光データの解釈にはプラズマ内部の素過程に関する知識が必要とされる。講習では、発光分光に用いる機材、および解析手法について簡単に説明する。

実習題目:Eグループ.真空紫外吸収分光 (名古屋大学 竹田圭吾 助教)
実習概要:プラズマにより生成される原子状ラジカルは、プロセス反応に大きな影響を与える重要な活性粒子です。真空紫外吸収分光法ではこの原子状ラジカルの絶対密度を計測できます。今回の講習では計測の原理から計測システムの紹介を行うとともに、本手法による原子状ラジカルの密度計測を実演します。


*各グループ先着20名様に限定させて頂きます。
*第3希望まで選択して頂き、希望者多数のグループについては調整いたします。

スクール参加費:
一般30,000円、学生3,000円
(但し、計測実習に関しては一般の受講希望者を優先しますので学生の方は受講できない場合があります)


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