第8回プラズマナノ工学スクール

プラズマプロセスの基礎講義と実践的なプラズマ計測実習

プログラム


9:20-9:30

御挨拶

9:30-10:50

プロセスプラズマの基礎とプラズマ生成法

名古屋大学
豊田浩孝 教授

講演概要:プラズマによる材料プロセスには、低圧力から大気圧まで様々な反応性ガスによる多彩な放電形式と放電周波数のプラズマが用いられている。この講義では、プラズマの発生・消滅,エネルギー授受の物理過程を基礎的にわかりやすく説明するとともに、代表的な各種プラズマの生成法を解説する。

10:50-12:10

プラズマ計測の基礎

名古屋大学
石川 健治 教授

講演概要:プロセスプラズマの挙動を特徴づける電子やイオン、中性ラジカルのエネルギーや密度などの計測手法の原理を説明し、実践的な評価方法を取り上げる。「プローブ計測法」、「質量分析法」、「吸収分光法」、「発光分光法」などのプロセスプラズマのモニタリング例や利用上の留意点を解説する。

12:10-12:20

昼食(弁当配布)

12:20-12:50

ランチョンセッション

クレブ(株)

講演概要:「プラズマプロセスの今を見える化」をテーマに、プラズマ状態を発光分光により可視化することで得られる効果を、実際の導入事例を交えてご紹介します。

12:50-13:20

休憩/質問タイム

13:20-14:10

プラズマエッチング

名古屋大学
関根 誠 教授

講演概要:材料の微細加工プロセスにおいて「寸法・形状といった物理的性質」と「材質・欠陥といった化学的性質」を制御することがプロセス設計の勘所となる。試行錯誤ではなく、実プロセスで生じている現象を原理まで遡り、プラズマプロセス中での固体材料表面で生じる反応の機構解明について紹介する。

14:10-15:00

プラズマCVDを用いた薄膜・構造体の作成

名城大学
平松 美根男 教授

講演概要:プラズマCVD (Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition, PE-CVD)は、プラズマを用いて原料ガスを励起・解離させて薄膜の形成に有効な活性種を生成し、基板上に輸送して、基板表面での化学反応を利用して薄膜を堆積する方法である。比較的低い基板温度で高速に薄膜を堆積できる長所と膜質の制御が難しい短所とを併せ持つ。この講演では、具体例をあげながら、プラズマCVDの原理と実際について紹介する。

15:00-15:50

大気圧プラズマの基礎と応用

名城大学
伊藤 昌文 教授

講演概要:大気圧におけるプラズマの特性は低圧プラズマの場合とどのように異なるかという視点から大気圧プラズマの基礎について概説する。また、我々が開発に協力してきた非平衡大気圧プラズマを中心に、その特徴、基本的なプラズマパラメータやラジカル密度の計測結果とそれらの応用例について紹介する。

15:50-16:10

地域イノベ/ナノプラット紹介

名古屋大学
近藤 博基 准教授

講演概要:

16:10-16:50

休憩/会場移動

16:50-17:50

プラズマ計測実習

17:50-18:00

会場移動

18:00-19:00

個別相談会

グループ

担当者名
Aグループ
上坂裕之
准教授
Bグループ
宮脇雄大
研究員
Cグループ
田嶋聡美
准教授
Dグループ
石川健治
教授
Eグループ
竹田圭吾
助教
テーマ名 プローブ計測 質量分析計測 大気圧プラズマ 発光分光 真空紫外吸収分光

【プラズマ計測実習内容】
実習題目:Aグループ.プローブ計測の基礎 (名古屋大学 上坂裕之 准教授)
実習概要: ラングミュアプローブの製作方法、測定方法について、分かりやすく説明する。Arプラズマにおいてプローブ電流を取得し,得られたI-V曲線から,電子密度、イオン密度、電子温度計測を算出するる。また同じArプラズマを用いてプラズマ吸収プローブによる電子密度計測を行う。

実習題目: Bグループ.質量分析による測定 (名古屋大学 宮脇雄大 研究員)
実習概要: 質量分析計を用いることによりプラズマ中の中性分子、正イオン、負イオン、ラジカルが測定できる。実演では、質量分析計の原理と各種測定法について説明する。最も容易なのは正イオンの測定であり、ラジカルや負イオンの測定では工夫を凝らす必要があり、そのノウハウを紹介する。例としてバイアス基板へ入射するイオンの測定では質量分析計全体を浮遊電圧にして測定しなければならず最も難しい。エネルギー分析器を付けるとプラズマポテンシャルで加速された正イオンのエネルギー分布が測定でき、プラズマポテンシャルが測定できる。

実習題目:Cグループ.大気圧プラズマ (名古屋大学 田嶋聡美 准教授)
実習概要:大気圧非平衡プラズマを用いた多種多様の材料処理技術、異なる大気圧プラズマの動作原理を紹介するとともに、発光分光によるマイクロホローカソード大気圧プラズマの電子密度測定、ガス温度測定を実習にて紹介する。大気圧非平衡プラズマを用いたガラス表面のクリーニング、コンタクトアングルによる親水性・疏水性評価、ガス温度計測装置などによるプラズマモニタリングを行う。

実習題目:Dグループ.発光分光(名古屋大学 石川健治 教授)
実習概要:発光分光は受動的なプラズマ計測法であり、かつプラズマを乱さないと言う特徴がある。また、特殊な実験技術を必要としないため光計測の初心者にも適し、比較的簡便にプラズマ内のラジカル等の挙動をモニタリングできる計測法である。しかしながら、得られた分光データの解釈にはプラズマ内部の素過程に関する知識が必要とされる。本講習では、発光分光に用いる機材、および解析手法について簡単に説明する。

実習題目:Eグループ.真空紫外吸収分光 (名古屋大学 竹田圭吾 助教)
実習概要:プラズマにより生成される原子状ラジカルは、プロセス反応に大きな影響を与える重要な活性粒子であり、真空紫外吸収分光法を用いることでこれら原子状ラジカルの絶対密度を計測することが可能である。本講習では計測の原理から計測システムの紹介を行うとともに、当該手法による原子状ラジカルの密度計測を実演する。


*各グループ先着20名様に限定させて頂きます。
*第3希望まで選択して頂き、希望者多数のグループについては調整いたします。

スクール参加費:
一般20,000円、学生2,000円
(但し、計測実習に関しては一般の受講希望者を優先しますので学生の方は受講できない場合があります)


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