Blog20241013

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  • Science 385 (6711) Aug 23, 2024 p. 826 & p. 842
    • Neuroscience アミロイドβからタウへの分解酵素にインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)が関与しており,この酵素はトリプトファン(TRP)からキヌレリン(KYN)の代謝を司っており,このIDO1の阻害薬によってグルコースから乳酸への解糖系の亢進が影響して,神経細胞への乳酸供給でミトコンドリア機能などから神経活動が回復するとのこと.(参照 Minhas eabm6131(link)) このIDO1は免疫調節因子である.(参考 山本康子 日薬理誌(2013)(link)(2023)(link)) 岐阜大学 皮膚病態学 藤井建人先生、水谷陽子先生が係わっている.
  • Science 385 (6709) Aug 9, 2024 p.618
    • オーロラの発生が高速の物理化学反応を生じる (参照 M. Dantus 385, eadk1833(link))基本的にはフェムト秒レーザーの化学反応動力学.解離イオン化プロセスを強電場電子衝突という方法で明らかにしている.
  • 日本のコメ問題 : 5つの転換点と迫りくる最大の危機 / 小川真如著. -- 中央公論新社, 2022.6. -- (中公新書 ; 2701).
  • 食料危機の未来年表 : そして日本人が飢える日 / 高橋五郎著. -- 朝日新聞出版, 2023.10. -- (朝日新書 ; 929).
    • 年間穀物生産量(小麦,トウモロコシ,大豆,コメ,大麦),カロリーベースという.(2400kcal/日が必要)タンパク質(50~60g/日が必要)ほかにビタミン,脂質,塩分なども必要.これらが,気候変動,人口急増,有事などの影響で食料危機に発展することが危惧されている.粗食料(純食料は可食部)、飼料用,種子用,加工用,減耗量を重量か生産額ベースで統計されている.食料自給率はこの統計から算出されているが,粗食料分のことというわけではない.コロナ禍の時には流通が滞り,飼料用の輸入がなくなって畜産などに影響が出ている.タンパク質輸出で大きい国はウルグアイ,アイスランドなど.穀物はフードメジャーと呼ばれる,カーギル(米),ADM(米),CHS,ルイドレュス(蘭),ガビロン(蘭)などがほとんどを押さえている.
    • 国連農場などで貧困を救えないのか.日本でも耕作放棄地がある.貧困にあえぐ若者の教育と飢餓対策として使えないか.畜産物のための穀物,気候スマート農業,
    • 化学肥料や化学農薬についての功罪は レイチェル・カーソン「沈黙の春」(1962),リース・ドブリース「食糧と人類」(2021)で議論されている.
  • 世界で最初に飢えるのは日本 : 食の安全保障をどう守るか / 鈴木宣弘 [著]. -- 講談社, 2022.11. -- (講談社+α新書 ; 860-1C).
    • 例えば,核戦争が起きると核被爆に続き,食料生産や流通が停止し,餓死者が出るという予想.
    • F1種子 一代限りのもの,化学肥料(リン,カリウム)は日本は100%輸入.尿酸も97%輸入である.
      • 異なる特性をもつ親種子を交配して作られた一代雑種.雑種強勢(ヘテロシス)という特性がある.形質が安定している.しかし,F1種子から育った種子を再度植えても親と同じ形質ではなく,また安定していないため,一代限りとなる.(農家は毎年種子を購入しなければならず,種苗メーカのビジネスである.)
    • ラクトパミン,エストロゲン(成長ホルモン)を使用した食牛肉の輸入などは規制されていないことの指摘
      • ラクトパミンは家畜の筋肉の成長を促進するための飼料添加物.米,加,豪では広く使用されている.日本や欧州,中では使用禁止されている.輸入肉には残留基準値を設定しているが,その管理は甘い(禁止ではないため)かもしれない.
    • グリホサート(除草剤)は飼料にも,ジフェノコナゾール(防カビ剤)はレモン,高温処理で発生する悪性のアクリルアミド合成阻害の遺伝子組み換えされたジャガイモ(シンプロット社)が食されている.加工品には規制がない.
      • グリホサートは 5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSPS)を阻害し,芳香族アミノ酸(トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン)の合成阻害により,植物を枯死する.商品名「ラウンドアップ」(1970年にモンサント開発,現バイエル)で発がん性が指摘されている.規制対象.
      • ジフェノコナゾールは,細胞膜の成分であるエルゴステロールの合成阻害,トリアゾール系の殺菌剤である.分子構造(link)
      • アクリルアミドの前駆体はアスパラギンなので,その生成を阻害するようなRNA干渉技術で遺伝子組み換えをしている.高温処理でアスパラギンと還元糖が反応してアクリルアミドが生成するので,発がん性が指摘されるアクリルアミド量が抑制される.
    • 土 微生物 菌根菌の存在,黒ぼく土,有機農業,自然農法,灌漑,江戸時代の循環社会
      • 黒ぼく土(英語は暗土から Ando soil Andosols と呼ぶ)は 火山灰と植物の腐植が混ざり何百年かけて出来上がったもの.保水性に優れる.
  • 日本の食と農の未来 : 「持続可能な食卓」を考える / 小口広太著. -- 光文社, 2021.9. -- (光文社新書 ; 1153).
    • 就農者 有機農業(2006年に法改正) 自然共生(酪農学園大学,創始者 黒澤酉蔵)
    • オーガニックファーマーズ(オアシス21)朝市 2009年より 2021年に65戸の農家が参加 6次産業化,ローカルフードシステム(オルタネーティブフードシステム),Community Supported Agriculture (CSA)が提唱されている.
    • 都市農業 生産緑地の農地売却が進む
  • 基礎物理から理解するゲージ理論 : "素粒子の標準数式"を読み解く / 川村嘉春著. -- サイエンス社, 2017.12. -- (臨時別冊・数理科学 . SGCライブラリ ; 138).
  • 物性物理のための場の理論・グリーン関数 : 量子多体系をどう解くか? / 小形正男著. -- 第2版. -- サイエンス社, 2024.9. -- (SGCライブラリ ; 193).

Last-modified: 2024-10-13 (日) 13:17:45