脱パイロジェン Depyrogenation
滅菌処理のことであり,細菌エンドトキシン(グラム陰性桿菌の細胞壁の構成成分であるリポ多糖類(LPS))の破壊または除去 のこと.
計算生化学についての展望記事について
Out-of-Equilibrium Biophysical Chemistry: The Case for Multidimensional, Integrated Single-Molecule Approaches
STRUCTURE−DYNAMICS−FUNCTION RELATIONSHIP IN BIOMOLECULES 分子は構造と変化,その機能が疑問である.
Free energy landscapes 自由エネルギー描像では,熱力学的平衡状態の連続体近似となっている.
Equilibrium energy landscapes 平衡エネルギー描像では,局所平衡の状態に部分的に分布し,その状態への遷移を含めて考えられている.
Out-of-equilibrium energy landscapes モーター分子など,エネルギーを使って非平衡な状態にある分子を取り扱うには,
ケース1 局所安定な複数の分子構造間を高速に遷移する.基底状態と励起状態の占有分布の定常状態に依存する.
ケース2 構造間の遷移は低速. 始状態と終状態に集約できる.
ケース3 ケース1と2の中間領域
Multidimensional energy landscapes 多次元の反応座標上のダイナミクスを取り扱う
非平衡のシステムは,必ずしも多次元の反応座標上のダイナミクスとも言えない.分子の構造変化の方が大きいため,ポテンシャル表面の歪みが大きくなる.
そのため,実験的にも観測可能な疑似1次元のポテンシャル表面を用意することを提案する.
Mapping the multidimensional functional energy landscape in equilibrium and nonequilibrium systems
計測手法(X線,NMR,EPR)を使って,構造を特定し,多次元のポテンシャル表面にマッピングしていくことで,堅牢な解析(予測)結果を得られると考える.
ここでは,TPP の riboswitch という対象に対して,分子動力学,蛍光顕微鏡,単分子動的分子間力分光法を使うという提案がなされている.
TPP は Arabidopsis thaliana thiamine pyrophosphate のこと
リボスイッチ(Riboswitch)
mRNA分子の一部分で、低分子化合物がそこに特異的に結合することで遺伝子発現が影響を受けるものをいう。
最初の報告 Nature volume 419, pages 952–956 (2002) https://www.nature.com/articles/nature01145
RNAワールド仮説とは、生命は初めRNAだけを利用しており、タンパク質はそのあとに現れたというものである。この仮説にはタンパク質が持つ基礎的なすべての機能がRNAによっても可能であるという前提で、この役割はリボスイッチがになっているというもの。(Wikipedia リボスイッチ より一部改変)