世界の大学を旅しよう 三竹大吉 (Jacaranda press, 2020)
「知」は人類最高の財産である(石松久幸,カリフォルニア大学バークリー校図書館日本部長)
英国,インドシナ(カンボジア,ベトナム,タイ)の大学の写真が紹介されている.
大学改革の迷走 佐藤 郁哉 (ちくま新書,2019)
1980年代半ばから大学(経営)の危機と言われ続け,それでも2013年時点で進学率の増加から拡大傾向で進んで来た.
1.大学解体から大学改革の解体へ
シラバス(講義の計画)が導入された,けども
2.PDCA PとCのみで進められていないか
3.学校と会社 ビジネス化 選択と集中
スカイツリー型 狭くて高いもの
ピラミッド型 裾野を拡げてから高くする
目標(ゴール)と指標(物差し)の混同 「エコシステム」 KPI(Key performance indicator)
NPM New public management 新公共経営 行政が民間を参考にすること
裁量権 官僚制⇔?
士族と民間 運営から経営へ 特権階級の素人が失敗すること
稚拙な模倣 と 不純な動機 破滅的誤解 創造的誤解
外から来たものを付け焼き刃的に借用
4.面従腹背(めんじゅうふくはい) 過剰同調 実質化 形骸化
主君と臣下 お達し 自己目的化 やることだけの理由
5.失敗と失政 無責任
学問の大切さを社会に伝えることを怠ったのではないか (日経 遠みち近みち 滝順一)
若手が大胆な発想で研究に取り組むことができない
大学院学生数の減少 '07 高学歴ワーキングプア '15 博士離れ
'89 研究者養成 大衆化 雇用の不安定化,産学官ミスマッチ,民間の博士人材採用(処遇できない)
院生は留学生で増えた
官僚,審議会 は 集合無責任体制をつくる.みんなで決める.主体性はない.
6.ドラマ 英雄,悪漢,馬鹿
オーリン・クラップ (1977)社会タイプ
役不足 力不足
マシュー・サイド 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織(2016) 悪者(スケープゴート)探し
規範への影響力 規範的価値からの逸脱
悪漢(憎悪と恐怖)
馬鹿(阿保)軽蔑と嘲笑 愚か者,怠け者,俗物
英雄 尊敬と崇拝
注目と賞賛
7.エビデンス
躾 礼儀 言葉遣い 教養
Evidence-based policy making
Garbage in, garbage out 入力データが酷いと結果も酷い
授業,深掘りがないのでは, 教育に力を入れていない
'60年代の米国の問題
研究者養成の窮状(予算がない)
需要度外誌 量的拡大
質の低下
学部教育の軽視
大学はどこへ 吉見俊哉(岩波, 2021) 2011年に「大学とは何か?」
入試への関心 しかにない
直線的成長の人生モデル
20年余りで 大学の知的水準は維持困難か
グローバル化 日本人は就職できるのか
自由と価値 リベラルアーツ 地球人←国民←市民
須要(しゅよう)に応じる知 科学技術研究の大躍進
オンライン化 キャンパスは必要か
クォーター制 8週間を4回 4~5/E 6~7/E 9/E~11/E 11/E~2/E
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット Life shift 人生100年の人生戦略 マルチステージ
デビット・リースマン 内部指向から 他人指向
カレッジ(中世) 学生と教師の協同組合 コミュニティーなので全寮制
ファカルティー(近世) 研究と教育 フンボルト原理
ユニバーシティー(現代) アカデミックキャピタリズム(知的創造エージェント)
学内政治と秩序変革の軸
専攻,学会,全学,メディア 学長リーダーシップの元 典型的な
大学の問題 問題の大学 竹内洋,佐藤優(時事通信社,2019)
1.なぜ学ぶのか(Why) 生き残るために高等教育が必要
功利 人間性の幅 アイロニーとユーモア
2.誰が学ぶのか(Who)
3.何を学ぶのか(What)
4.どうやって教えるのか,学ぶのか(How)
5.どこでいつ教えるのか,学ぶのか(Where,When)
大学論を組み替える 広田照幸 (名古屋大学出版会,2019)
1.グローバリゼーション 質 プレゼンスを示す 質保証
2.組織と機能
米国 アカデミックキャピタリズム 公共的な知と学問の体制 知を市民が求める公共財
中央権力 機関 大学 基本単位 部局 学科 個人 専門性をもつ
規範と運営 資源配分 資源利用
質 学術的価値 学務 目標達成 教育,研究,サービスの業績
経済(産業)労働, 政治(公共の課題)社会問題の解決, 文化(生活)人材供給
社会と学術
3.教育
問題 解決策
教える 学ぶ 学びたい者が自ら学ぶ 共同体
体系化,パッケージ化(組織化),教育プログラム
学校化 教育から学習へ 学習から教育へ
4.質保証 教育サービス 学位のユニーバサル化
J. Newton (2002) 質の多義性(p.108)
6.評価
シーシズム 評価が目的となると目標になってしまう
主体,目的,基準 自主性と統制 自己,他者 育成,判別,内在的,外在的
絶対基準,入力(インプット)基準,成果(アウトカム)基準 指標で測定するか,評価で改善するか
8.自治 自律
教授会 から 学長リーダーシップ
10.未来投資会議 戦略2017 Society 5.0 技術革新が描く社会 生涯学び直し 人材育成,人材投資
博士号の取り方 第6版2015年 初版1987 E. M. フィリップス/D. S. ピュー 名古屋大学出版会
指導教官を選ぶ
最近,論文を執筆しているか,研究室は効率良く運営されているか,研究助成は受けているか,国内外の学会に呼ばれているか
係わり方 サポートをフィードバック,研究に方向性を与える,失敗を多くしながら,やりたいようにやらせてみる(時間が掛かる)
競争ではなく協力
アカデミックキャピタリズム アカデミックフリーダム フィリップ・アルトバック(2004)
19世紀に教授の自由,修学の自由が言われ,一般社会から遊離した.(象牙の塔)
New public management (NPM)が言われ,個々の教員レベルで学生獲得,資金獲得,大学は国家が所有する人的資本の貯蔵庫と言われ,グローバルな経済競争に勝ち抜くには科学技術力の発展が欠かせなくなった.
フリーダム キャピタリズム
知的共同体 エンタープライズ(企業体)
孤独と自由 説明責任
大学自治 外部評価,経営会議
研究と教育の一致 研究と教育の乖離
教師,研究者 知的資本家
学生 学習 消費者
真理探究 知的生産の場,能力開発機関
フンボルト理念 ?
この二つの中道がとられているように思う.
経済のグローバル化 情報化 知と学問の在り方が変容 体制変換
資源確保,外部資金